便器がないとき、袋と凝固剤だけでトイレできるの?(動画イメージ)
- info3175414
- 4月16日
- 読了時間: 8分
更新日:7 日前
※記事内の写真・動画は、本物の排泄物ではなく、人工尿やお茶などで撮影しています※
「ポイレ」は、凝固剤+袋だけのシンプルな非常用トイレセット。
基本的には「便器ありき」で、いつものトイレに袋をかぶせて使うことを想定していますが、
被災時、そもそも便器が使えない、あるいはトイレまで行けないことも考えられます。
ご自宅にはしっかりした簡易の便器を用意されていたとしても
準備万端の自宅にいるときに被災するとは限りません。
基本の考え方
排泄物を袋に直接出して、凝固剤で固めるだけ。
つまり、「袋の中にうまく排泄できればOK」なわけです。

外で被災したとき
車にいるとき
自宅のトイレが壊れているとき
夜で真っ暗、トイレに行くのが怖いとき
足元が散らかっていて移動が危ないとき
こんな状況でも、最悪、袋と凝固剤だけで用を足すことはできます。
どうやって使うの?
やることはシンプルです。
排泄物を袋の中に入れて、あとから凝固剤を入れて固める
つまり、袋の中に排泄物を入れられれば、なんとかなります。
【床置きした袋に直接排泄して処理するイメージ動画】
※この動画は、本物の排泄物ではなく、お茶で撮影しています※
ただし、袋をそのまま床に置いて使う場合、やはりリスクがあります。
袋の口が倒れてこぼれたり
ちゃんと中に入らなかったり
出し始めたら途中でなかなか止められないし
真っ暗な中で気付かないうちに漏れることも…
袋をしっかり手で支えて、しゃがんで使うことができるなら良いのですが…。
お尻を袋の中にすっぽり入れるような気持ちで、
できるだけ安定した姿勢で使うことができる状況であれば良いですが
用をたすときって、意外と両手がふさがっていて
袋をしっかり支えながらしゃがむことは難易度が高いですよね…。
手を添えたり、洋服をたくし上げたり、女性の場合はスカートを持ったり。
屋外などではなかなか無防備に下半身をさらけ出すわけにもいきません。
やってみると、口で言うほど簡単でもないのです。
大便のときにはティッシュやトイレットペーパーも使いますから、持ちっぱなしにはできません。
容器があると、断然ラク!
袋だけでも使うには使えますが、やっぱり何か容器にかぶせた方が安心感が段違いです。
バケツ
組み立てた段ボール箱
洗い桶
洗面器
ボウル
ゴミ箱
硬めの紙袋
※フチの部分を折り返すと案外使えます。
お尻が入るくらいのサイズが目安かと思います。
これがあるだけで「袋を支えなくては」という心配は格段に軽減できます。
「ポイレBOXタイプ」の外箱は、袋をかぶせて容器として使えます。
段ボール製なので体重をかけて座ることはできませんが、
ちょっとした容器でも あるのとないのとでは、かなり使いやすさが違う!
という気付きから、(わざわざ)二重箱にした商品です。
意外とおすすめな方法:コップなどに出してから袋へ
お子様や、大人であってもやっぱり
「袋に直接出すのはちょっと難易度が高い…」という場合は
コップや計量カップを使って、一度受けてから袋に移す方法もおすすめです。
大便の場合はこの方法は使えませんが、おしっこだけであれば
手で持てるしっかりした入れ物のほうがしやすい方も多いのではないでしょうか。
そう、検尿のイメージです!

特に女性の場合、床置きした容器に出すとなると、どうしてもお尻を丸出しにしてしゃがむことになると思いますが、片手で持てるカップであれば、レインコートなどを羽織っていると結構サッと使えます。
さすがに周りにたくさん人がいる場所でこっそり、とはいかないまでも、床にしゃがむよりはまだ手軽なのではないでしょうか。
ポンチョより前が開く羽織りものがあったほうが、この場合は壁際などで使いやすいかもしれません。
現実的にいつでも持ち運ぶもの、と考えると、
冬場なら上着を腰巻にするとか、ストールを使うこともできますし、
防災グッズとしてコンパクトに持ち運べる保温用のアルミシートがあれば腰に巻く、という方法もあります。
屋外で用を足さなくてはならないような場面では、腰回りを隠せると心理的にかなり安心できるかと思います。
ただし、注意していただきたいのは「コップのサイズ」
成人の1回のおしっこの量は 200~300ml程度と言われます。
1日の排尿量は 1,000~1,500ml 程度、1日の排尿回数 5~7回
排尿間隔 3~5時間に1回くらいが目安です。
ただ、長時間我慢した時や、朝起きたばかりの尿量は、通常時より多い場合もあります。
摂取した水分量、体調によっても異なります。
100均などでも売っているプラスチック製の計量カップ(500ml)が個人的にはおすすめです。

計量カップなんか普段 持ち歩いてないよ! という声が聞こえてきそうですが…。
500ml という量の目安や、入れ物のサイズ感だけでもイメージしていただければ…。
ポイレの凝固剤1包は、300ml ~ 400ml 程度のおしっこを固める量ですので
1包で足りるのか、追加でもう1包使った方が良いのかもわかりやすいのです。
よほどでなければ、500ml の容量があれば1回分は入りきると思われます。
もしご自宅で被災して、便器が使えないけど計量カップなら手元にある! という場合は思い出してください。
持ち手もありますし軽いので片手で支えられますし、お子様にも使いやすいと思います。
キッチン用品なので気持ち的には多少抵抗がありますが……捨てると決めてしまえば惜しくはないです。
人によっては、もしかしたら500mlでは収まらない方もいらっしゃるかもしれませんが
様子を見ながら一旦 500mlが満タンになるくらいまで出せば、なんとか途中で止めることができるのではないでしょうか?(ちょっと気持ち悪いですが)
もし500mlでは不安なほど普段から尿量が多い場合でしたら、手近なところにありそうなもの、
例えばコーヒーのサーバー容器(5カップ分で700ml程度)などが使えそうです。
ガラス製なので落として割らないように注意が必要です。
もったいないですが、非常時にやむを得ない状況では、選択肢として検討してみても…。
ちなみに 700ml の量は、一般的な湯飲み茶わんに7杯分程度です。
500ml のペットボトルではおさまらないくらい多い、ということですね。
一回のおしっこでこれだけの量となるとかなり多いほうだと思いますが
おしっこの量は人それぞれですし、なかなか他人の事情を調べにくいので一概には言えません。
※記事内の写真・動画は、本物の排泄物ではなく、人工尿やお茶などで撮影しています※
カップに出してから袋に移す方法であれば、用を足している最中に袋が倒れてしまう不安もなく、狙いも定めやすいのでぜひ検討してみてください。
そして、凝固剤は袋に排泄物を移してから入れてください!
コップに凝固剤を入れてしまうと処理が大変になります。
容器を何度も使いまわす時は、できれば毎回石鹸と水で洗って乾かすか、除菌シートなどで肌に触れる部分だけでも清潔にしましょう。
また、他人と共有することは避けて、自分専用として使いましょう。
使い捨てにできる大き目の紙コップやプラスチックコップがもしあれば、衛生的にも安心ですね。
ただし万が一にも、その容器に飲料水を入れて飲んでしまうことがないように注意してください。
油性マジックで分かりやすく「トイレ用」と書いておくなど、状況に応じて間違えないように工夫をしましょう。
凝固剤の注意点
なにはともあれ、袋に排泄物を入れてから、凝固剤を投入していただきたいです。
先に袋に入れておく、という使い方を、ポイレではお勧めしておりません。
万が一こぼれたとき、水を吸った凝固剤は拭き取りが結構難しく、除去しにくいですし
床がヌルヌルになって非常に滑りやすくなります。
なので、排泄物が入った後に凝固剤を入れる、という順番を推奨しております。
袋を直接使うのもアリではありますが、
「袋を安定させる工夫」
「コップなどの補助アイテム」
があるだけで、失敗や不安がぐっと減ります。
今回ご紹介した方法は、あくまで便器が使えず、便器の代わりにできる容器がない場合や、個室が確保できないような状況での緊急措置です。
ただ、発災直後の混乱の最中や避難所に人が集まった直後などであっても、トイレだけは我慢ができませんし、我慢し続けても良いことはありません。
そんな場面でも、ポイントを押さえればなんとかおしっこはできそうだ、と思っていただけたらと思います。
少しの知識と準備で、非常時の「トイレの不安」はかなり軽くなります。
『買ったけど、使ったことはない』というお客様の声も、私たちはよく耳にするのですが
トイレは、人間だれしも、毎日必ず使います。
「知っておくだけ」で安心感は全然ちがうんです。
どんな姿勢でなら自分は用がたせるのか?
最悪、どんなものがあればトイレができるのか?
どういう場所ならできそうか?
一度考えて、できたら試してみていただけたら幸いです。